3.2.1 RIPの概要
RIP(Routing Information Protocol)は小〜中規模のネットワークで使用される代表的なルーティングプロトコルである。
RIPによるルーティングテーブル作成の基本方針は「最小限のホップ数で宛先ホストにパケットを送り届けるようにする」である。ここでホップ数はルータを経由する数のことである。例えば、下の図のようなネットワークにおいてホストAからホストBにパケットを送信するとき、RIPでは下の経路で送信される。
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図3.2.1:RIPはホップ数が少ない経路を採る
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RIPは自分が持っている経路情報を他のルータに知らせるためにRIPパケットをブロードキャストする。このRIPパケットはUDPのパケットの中に経路情報を入れたものである。このときのUDPのポート番号は520を使用する。
この経路情報の内容は簡単にいうと、「そのネットワークアドレスはあと何個のルータを経由するか」という情報である。
また、他のルータがブロードキャストしたRIPパケットを読み込み、その情報から自身の経路情報を更新する(下の図参照)。経路情報は目的のホストまでのホップ数が少なくなるように更新される。
RIPのメトリックはホップ数である。メトリックとは経路を決定する際の判断材料となる重みのことである。RIPが制御できるのはホップ数が15までのネットワークであり、それ以上のホップ数のネットワークはRIPでは制御できない。RIPにおいて、最大ホップ数は16であり、16は無限大のホップ数を意味する。
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図3.2.2:RIPパケットによる経路情報の更新
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RIPでは30秒に1回、RIPパケットをブロードキャストする。このためホストの追加・削除でネットワークが変更されても、すぐに最新の経路情報がルーティングテーブルに反映される。
今までRIPパケットが送られてきたルーターからのRIPパケットが途絶えると、そのルーターはダウンしたと判断される。しかし、単にパケットを紛失しただけの可能性もあるため、180秒間待つ。180秒たってもRIPパケットが送られてこない場合は、そのルーターに接続しているネットワークのメトリックを16にセットする(16は無限大の意味)。メトリックを16にセットした後にさらに120秒間待つ。この間にRIPパケットが送られれば、メトリックの数値はその値に更新される。どんな値が届いても16よりは小さいからである。120秒間待ってもRIPパケットが送られてこない場合は、そのネットワークを経路情報から削除する。
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図3.2.3:経路情報の削除
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RIPのようにホップ数によって進む方向を決定するプロトコルを距離ベクトル型(Distance
- Vector)のプロトコルという。ホップ数が「距離」で、進む方向が「ベクトル」である。
3.2.2 RIPの特徴
RIPには次のような特徴がある。
- RIPパケットはブロードキャストで送信する
- CIDRに対応していない
- ホップ数でメトリックを決定するので、回線速度を考慮しない
- 経路制御可能なホップ数が最大15に限定されている
3.2.3 RIP2
RIP2(RIP version 2)は基本的な動作はRIPと同じだが、RIPに比べて次のような改良が施されている。
- RIPパケットはマルチキャストで送信する
- CIDRに対応している
- 認証機能によってRIPパケットを受信するかどうかを決定する
RIP、RIP2についてはRFC 1058/1721/1722/1723/1724に規定されている。
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